地盤調査の支持層とは何?マイホームを建てる時の基準とは?

建物を建設する前に地盤調査を行いますが、地盤には様々な層があり、大きくは「土表」「表層地盤」「砂れき」「沖積層」「洪積層」に分けられます。

近年、建設トラブルなどでもよく耳にする『支持層』。この支持層とはいったいどのような地層の事なのでしょうか。今回は支持層についてまとめました。

photo by Four Corners School

支持層とは?

住宅や商業施設を建設するには、それに耐えることのできる土地(地盤)が必要です。

土地が弱いと建物が傾いたり沈んだりというトラブルを引き起こします。

その土地の強さを確かめるのが「地盤調査」です。地盤調査ではその土地の地質や地形がわかり、建築物に耐えることのできる程の強度をもった層がどのくらいの深さにあるかが分かります。

その建築物の重さに耐えることのできる強い層の事を『支持層』と言います。

またこの支持層は、建築物によっても強度の基準が違い、建物の規模が大きくなればなるほど基準も上がります。

 

マイホームに必要な支持層の基準

地盤調査を行う際、地盤の強さを「N値」として表わします。

「N値」とは、もともと大きなビルや商業施設を建設する際に用いられた、ボーリング調査(地盤調査の1つ)による測定値ですが、スウェーデン式サウンディング試験(地盤調査の1つ)では様々な調査結果からなる「換算N値」というものが算定可能。

調査する土地に垂直になるように鉄棒を突き立て、63.5kgのハンマーを75cmの高さから落下させる。それを繰り返し、鉄棒が深さ30cm沈むまでに何回行ったかで、その打撃数を「換算N値」としています。

つまり、N値(打撃数)が大きければ大きい程、強い地盤で逆にN値が小さいとすぐに鉄棒が沈むようなやわらかく弱い地盤だという事が分かります。

N値は土質によっても異なりますので、N値と土質がわかれば地盤の強さは判断可能。

では、一般的住宅ではどのくらいN値であれば、強い地盤である支持層と言えるのか?

粘土質の土質であればN値は4~8以上で良い地盤となり、砂層であればN値が10~30以上で良い地盤と言われています。

 

マンションに必要な支持層の基準

中高層マンションとなると、戸建住宅より建物の規模が大きいため、N値も大きく強い地盤でなければなりません。

マンションの場合だと50以上が5m以上つづいている層が支持層の基準。

支持層の基準のN値が下回る地盤だと、建設後に建物が傾いたり、沈んでしまうといった大きなトラブルが起きる可能性があります。そのため、基準より弱い地盤であれば、地盤改良工事が必要となります。

家を建てる時やマンションを購入する際は、こういった地盤調査の方法や数値についても知っておく事で、業者まかせにする事なく一緒に確認できるはずです。

▶関連:【耐震リフォーム】住宅の地盤調査とはどんなもの?

 

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